3月9日、「全国女性農業委員ネットワーク」が発足した。
女性農業委員の相互研さんと情報の交換・共有、意見の公表、組織化と組織活動の強化などを通じ、
地域農業の振興や活性化に大きく寄与していくことを期待したい。
さて、女性農業委員を取り巻く課題は大きく2つあると考えられる。
一つは、その数をいかに増やすかである。現在、女性農業委員数は全国で1800人弱、全農業委員の5%弱に過ぎない。
政府の「男女共同参画基本計画」の中では「2020年までに30%程度」との目標が、また、昨年8月の農水省経営局長通知では、
「(1)次期改選までに女性が1人も登用されていない農業委員会の解消(2)15年3月までに2人以上の女性農業委員の確実な選出」が
目標として掲げられているが、その達成に向けた対応については、残念ながら地域の温度差が大きいように思われる。
もう一つの課題は、議会推薦の選任委員による女性登用が1期で終わったり、
次に推薦する女性がいないなどの理由で、登用が定着しないことだ。
議会推薦では、議会をはじめ関係者の理解と、女性が農業委員にチャレンジしようという積極性が不可欠である。
また、選挙委員としての選出拡大については、女性が立候補しやすい環境づくりと、
女性自身が農業委員に立候補する熱意がこれまた欠かせない。
いずれにせよ、女性農業委員を増やすためには、周囲の理解と協力、女性のやる気が“車の両輪”として必要である。
農業委員会系統組織では、来る7月(沖縄県は9月)の農業委員統一選挙において、
「1農業委員会あたり複数の女性の選出」を目標として掲げている。
今回の「全国女性農業委員ネットワーク」が、それぞれ地域の理解と、女性のやる気を喚起する起爆剤となることを期待したい。
[2011-3-11]
http://www.nca.or.jp/shinbun/about.php?aid=2615