町内のすし店が、官民でブランド化に取り組んでいる町内産地鶏「新得地鶏」を使ったにぎりずしの試作を進めている。新得地鶏
はしっかりとした歯応えと、さっぱりしたうま味が特長で、試食の反応は上々。鶏肉を使ったすしは珍しく、今春のメニュー化を目指して
いる。(清水博之)
試作を重ねているのは、JR新得駅前の石松の店主吉田滋さん(63)。既に鍋料理やザンギで新得地鶏を提供しているが、
新名物をつくるため2年間、にぎりずしで試行錯誤を重ねてきた。
町内で生産された新鮮な冷蔵肉を素早く熱湯にくぐらせ、甘辛のたれに一晩つけ込み、スライスしてネタにする。ムネ肉を使い、
切り方やつけだれの濃さを調節しながら、食べやすさを追求している。
「食感はイカやタコ、味は生ハムに近い」(吉田さん)と言い、3月上旬に町内の知人らを呼んだ試食会では「適度な弾力で
食べごたえがある」「うま味がよく分かる」と好評だった。
新得地鶏は、道立総合研究機構畜産試験場(新得町)が改良した品種「北海地鶏2」で、町と畜試、生産者、商工業者らが
協議会をつくり、2年前からブランド化に取り組んでいる。町によると、これまで炭焼きや鍋、スープなどでの料理が多く、生に近い肉
の活用は初めて。
地鶏のにぎりは、道内では美唄市内のそば店「こはれ」が直営鶏舎の鶏で2006年から提供。「肉の新鮮な生産地ならではの
料理」(藤岡剛店長)で人気メニューという。道は「鶏肉のすしは珍しい」(商業経済交流課)と、新得の取り組みも注目している。
「すし屋はやっぱりすしにこだわりたい」と吉田さん。原料の安定確保のため、冷凍肉ですしネタが可能かどうかも研究する考えだ。
ソース(北海道新聞)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/277454.html 写真=今春のメニュー化を目指している新得地鶏のにぎりずし
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki3/image/0297_1.jpg