英国に、13年前に脳や肝臓にがんが見つかり、余命6週間と宣告された女性がいる。しかし治療に
よってがんはみるみる縮小。余命宣告に打ち勝ち、13年が経った今では元気に働いているそうだ。
英紙ジ・アーガスやデイリー・メールによると、この女性は英南部バージェス・ヒルに住む、現在56歳の
スー・ウィッグさん。彼女の体に最初の異変が起きたのは1998年初めのことだった。養護教諭として
忙しい毎日を過ごしていた彼女は肌の一部に刺激を感じるようになり、そこにできた黒い部分が
痒くて「イライラするようになった」(デイリー・メール紙より)ため、同年2月に初めて病院へ。すると
王立病院を紹介され、詳しい検査を受けるように指示を受けた。
王立病院での検査の結果は悪性骨髄腫。加えて肝臓にもミカンほどの大きさの腫瘍が見つかった。
そのためすぐに入院したウィッグさんは手術を受け、6か月にわたり投薬などの治療を行ったところ、
治療は効果を上げて体調は改善。家族の待つ我が家へ帰ることになった。ところが、一旦は危機を
脱したかに思われた彼女の体に、退院から間もなくして再び異変が起きてしまう。
1998年の秋、今度は突然激しい頭痛に襲われたウィッグさん。調べてみると脳の中に腫瘍が見つかり、
医師の診断は「末期がん」だった。しかも、医師は家族に「残された時間は恐らく2か月(6週間)ほど」
と余命を宣告。そして命の残り時間が少ないことを実感したウィッグさんはこのとき、これまでと同様の
暮らしをして、ごくごく普通に過ごしたいとの思いが湧いたそうだ。絶望を感じながらも、これからも家族と
楽しい時間を過ごしたいとの思いから、わずかな希望に賭けて放射線治療などを受け始めた。
すると、これらの治療が医師も驚くほどの効果を上げる。“余命6週間”と診断されたはずの脳腫瘍は
放射線治療を始めると縮小し、最終的には彼女の脳から姿を消した。また、肝臓にできたミカン程度
の大きさの腫瘍も治療で小さくなり、「不活発な状態」になったという。それから13年、彼女は今や
保育所へパートへ出るほど元気に暮らしているそうだ。
彼女のようなケースについて、ロンドンの専門医は「余命6週間と言われながら、12年以上も生き
続けているのは珍しい」とコメント。彼女の場合は治療の効果だけでなく、彼女自身が持っている
免疫力ががんを退けたと考えられるとも語り、これは「稀なケース」としている。
ウィッグさんは現在も定期的にがん検診は続け、昨年はリンパ節切除の手術も行ったそう。重い病に
打ち勝ち、立ち直った今、彼女は「素晴らしい家やお庭、家族に囲まれて、私はほんとに運が良い
ですね」と話している。
ナリナリドットコム
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