宇宙飛行士が火星に着陸――ロシアで仮想実験
CNN 2月15日11時3分配信
ロシアと欧州の宇宙飛行士が14日、火星に初めて降り立ち、地表を探索した――。
ただしこれは将来の火星有人飛行を想定したシミュレーションだった。
ロシアの生物医学問題研究所と欧州宇宙機関(ESA)は、火星までの往復にかかる想定520日の間、
国際研究チームに窓のないカプセルの中に閉じこもって暮らしてもらう実験を実施している。
実験は昨年6月にスタートし、ロシア人3人とフランス、イタリア、中国の各1人の合計6人がモスクワの
施設内でカプセルに「搭乗」。規則正しい運動や食事などの日程をこなしている。
火星への「着陸」は12日と14日に実現した。ロシアとイタリアの宇宙飛行士が初めて地表に降り立ち、
特製の軽量宇宙服を着て40分間歩き回るシミュレーションを実施。プロジェクト参加4カ国の国旗を
火星に掲げた。18日と22日にも再度の着陸を予定しているという。
同実験の目的は、火星への長期航行で宇宙飛行士の肉体面、精神面にどんな影響が出るかを調べる
ことにある。乗員は国際宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士と同様、メンテナンスや科学実験などの
作業をこなし、管制センターとはインターネットで通信する。実際の環境を想定して通信は20分遅れとなり、
時折障害が発生する。
同プロジェクトは2007年に始まった実験「マーズ500」の一環となる。09年にはロシアと欧州のメンバーが
参加して施設の中で105日間過ごしており、今回はそれを上回る最長記録となる。
ロシア宇宙局は14日の記者会見で、火星への有人宇宙飛行は20年以内に実現できるとの見通しを示した。
▽CNN
http://www.cnn.co.jp/world/30001805.html ▽参考画像
http://www.cnn.co.jp/images/cnn/2011/02/15/10/38/14/c1main.mars.space.gi.jpg