【経済】雇用、資源高、政治的リスク… 日本経済再生へ3つの重し

このエントリーをはてなブックマークに追加
1締まらない二の腕(110320)φ ★
実質GDPは、アジア向け輸出の増加で企業の生産活動が持ち直しつつあり、平成23年1〜3月期は
再びプラス成長に転じるとの見方が大勢だ。
日本経済の持続的な回復は「厳しい雇用・所得環境」「資源高」「政治的リスク」の3つの重しをどう
はねのけるかにかかっている。

月別の経済指標をみると、反転の兆しも出てきている。内閣府がまとめた12月の輸出数量指数(季節調整済み)
は前月比3・3%上昇し、鉱工業生産指数も3・1%増といずれも2カ月連続のプラスになった。

BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「日本経済は昨年末から持ち直しに転じ、今年1〜3月期
からプラス成長に復帰する」と予想する。与謝野馨経済財政担当相も「当面は弱さが残るが海外経済の回復など
で持ち直しが期待される」とした。

懸念材料は、雇用や賃金など家計に波及する動きが依然、弱いことだ。12月の完全失業率は10カ月ぶりに5%
を下回ったものの、同月の現金給与総額は10カ月ぶりの前年同月比マイナスで、回復の実感に乏しい。

原油など原材料価格が高止まりしていることも企業収益を圧迫し、雇用や賃金の改善をさらに遅らせる懸念が強い。
こうした背景として、与謝野経財相は「(政治の問題解決能力への)市場の信頼がどうなるかもリスクの一つ」と
認める。参院で野党が多数を占める「ねじれ国会」の影響で、予算執行が滞れば経済への悪影響は深刻だ。

企業が業績回復で手元資金を積み上げているにもかかわらず、積極投資に回さないのも、「政府が企業の財布をこじ
開ける明確な成長戦略を示し切れていないため」(第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミスト)だ。
経済再生に向けた政治の責任は重い。

▽産経新聞(2011.2.14 20:34)
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110214/fnc11021420350011-n1.htm