飛鳥時代創建の当麻(たいま)寺(奈良県葛城市)が経営する墓地と誤認させられたとして、
購入者の男性が同寺の名を冠した墓地を販売する「宗教法人来迎院」に代金返還を求め
る民事訴訟が、大阪地裁で争われている。
来迎院は当麻寺敷地内の独立した寺院。当麻寺側は「無関係」とするが、墓地との関係を
尋ねる問い合わせが100件以上も相次ぐ事態となっているという。
訴状によると、大阪府在住の男性は2009年10月、来迎院が経営する同府柏原市の墓地
の一区画(1・5メートル四方)の永代使用権を、「有名な古刹(こさつ)で供養してもらえるのは
ありがたい」と290万円で購入。その後、当麻寺が供養するのではないと知り、返金を求めた
が応じてもらえないため、昨年3月に提訴した。
当麻寺側によると、現在、当麻寺の管理にかかわるなど関係があるとされるのは敷地内13寺
院のうち8寺院で、来迎院など5寺院は無関係。このため「誤解を避けるために『当麻寺』の
表記をやめてほしい」と働きかけたが、来迎院側は取りあわなかったという。
来迎院側は読売新聞の取材に対し、「(宗教法人の)所在地を分かりやすく表記しただけで、
だます意図はない」としている。
▽読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110212-OYT1T00543.htm