県支援イベント 少ない参加
福井に嫁いでもらおうと、県などが今年度から取り組んでいる「婚活」イベントに、県内の独身男性がなかなか集まらない。
参加の募集期間を延長したり、農業団体を通じて呼びかけたりして開催にこぎ着けたケースも。関係者は「控えめな男性
が多いためでは」と分析。それならばと、奥ゆかしい気質の男性が〈本領〉を発揮できる「男前講座」をイベント直前に受講
して本場に備えようという試みにも乗りだした。
県と勝山市などは今月19、20両日、スキーとカニ鍋をセットにした男女の出会いの場を企画する。県外の女性が市内の
男性と結婚して定住してもらうのが狙い。先月24日の締め切りに中京方面などから女性10人が応募したが、同市内の
男性は9人のみ。募集を延長して今月9日現在、女性16人、男性は18人に増えた。
県は昨年8月、永平寺町などと寺の座禅体験などを取り入れたイベントを行った。「この時も定員に満たず、女性のほうが
多かった。JAなどを通じ、参加をちゅうちょしている男性の背中を押してもらった」と話す。
県の担当者は「学習や就職に関する行事の参加に積極的な男性は多い。婚活ではやや『控えめ』になってしまうのかも」と話し、
婚活事業に協力する「日本ブライダル協会県支部」の内田伸子事務局長は「地域に限ると顔見知りが居合わせてしまう。
それが気恥ずかしさにつながるのかも」と指摘した。
県などは13日、気恥ずかしさを克服するため、勝山市の婚活イベントに向けた「男前講座」を市福祉健康センターで開く。
楽しい会話や相手を深く知るコミュニケーションのコツを伝授。県外から積極的に参加する女性を迎える心構えを指導するという。
「男前講座」は、県内在住の独身男性であれば参加は自由。13日午後1〜4時、勝山市郡町の市福祉健康センター
「すこやか」で、無料。
■取り組み事業色々7か月で40組成婚も
県は今年度から婚活事業に力を入れており、すでに効果が出ている取り組みもある。地域で結婚相談などを行う人を紹介する
「地域の縁結びさん」事業は昨年5月にスタートし、すでに3組が結婚につながった。
また、県がインターネット上に婚活の総合窓口「ふくい婚活カフェ」を開いて取り組みを紹介したところ、婚活ブームと相まって、
従来からある「結婚相談所」も例年50組前後の成婚が今年度は4〜10月ですでに40組を超えた。
企業の未婚者グループ同士での交流を進める「企業間の交流の場」事業も始めており、今年度は男性グループ20件、
女性グループ15件が参加した。ただ、この事業に参加するには、グループの信頼度を高める必要から、メンバーが所属する
企業の人事部門に申請して登録する必要があり、県子ども家庭課の担当者は「会社に言いにくくてためらっている人がいるかも。
上司も婚活を勧めすぎるとセクハラになりかねない。思ったより利用が伸びない」と話しており、婚活支援には「プレッシャーを
与えない『さりげなさ』も必要だ」としている。
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http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/20110211-OYT8T00559.htm