日本臓器移植ネットワーク(移植ネット)は11日、改正臓器移植法に基づき脳死の成人患者から
臓器が提供されると発表した。脳死判定から発表まで通常より時間がかかり病院名や地域などは
非公開。発表前の一部報道が影響したとみられ、移植ネットは「ご家族が情報公開に慎重になった」
と説明した。地域を一切公開しないのは1997年の臓器移植法施行後初めて。
移植ネットによると、家族は9日に脳死判定と臓器摘出を承諾。本人の意思を記した書面はなかった。
10日朝に脳死判定が終わり午後にも摘出開始の運びだった。判定から約2時間後、地元テレビ局が
地域名を絞って「脳死判定が進められている」と報じた。
通常移植ネットは判定終了の数時間〜約10時間後に発表するが、今回は1日以上後だった。
10日の報道後、このまま進めるか改めて家族と相談したとみられる。家族は摘出開始まで承諾を撤回できる。
地元局は朝日新聞に対し、家族が慎重になったとの移植ネットの説明を「確認していない」としたうえで、
「家族に配慮し病院名を特定しなかった。(報道のタイミングは)個々のケースで判断する」と説明した。
家族は肝臓、腎臓、膵臓(すいぞう)、小腸、角膜の提供を承諾した。11日に摘出され、福岡、新潟
両県などの病院で移植されることになった。
▽アサヒ・コム
http://www.asahi.com/health/news/TKY201102110202.html