京都橘大(京都市山科区)の学生たちが、栗東市産の間伐材の新しい利用法を住民に提案しようと、
同市で家具作りに取り組んでいる。住民の協力を得て製材から加工まで担い、可動式のテレビ台や
のっぽの照明器具などユニークな家具を試作する。
同大都市環境デザイン学科の竹山清明教授(建築デザイン)のゼミ生約20人が挑戦している。
昨年6月、住民が間伐材でベンチ作りに取り組む同市観音寺を竹山教授が訪れたのがきっかけ。
ベンチの買い手が増えない現状を聞き、竹山教授が「学生に、手軽に作れておもしろい家具を
考えさせてはどうか」と提案した。
同年11月に、地域住民と市職員が審査員となり、同大学でデザインコンペを実施。おもしろい
アイデアがそろったため、提案された作品を住民と協力して実際に作ることにした。
今年1月下旬から住民と学生で、観音寺のヒノキの間伐材約50本を製材。週末を利用して、
市内の工務店で自動かんなや電動のこぎりを借り、プロのアドバイスを受けながら家具を作る。
底面16センチ四方で、高さ1・8メートルの細長い照明具を作った田島慎之輔さん(20)は
「デザイン性と組み立てやすさを意識した。製材から組み立てまで携わるのは、大学では
できない体験」と目を輝かせる。このほか木製ブロックと板を組み合わせて自在に形が変わる本棚や、
T字形の棚2個を合わせた可動式のテレビ台など、着々と丹精込めた家具が完成し始めている。
竹山教授は「学生が考えるからこそ、住民にも作りやすい家具が提案できるはず」と期待する。
4月に観音寺で作品発表を行い、住民が実用化につなげる計画にしている。
▽京都新聞
http://www.kyoto-np.co.jp/shiga/article/20110211000017 ▽参考画像
住民の協力を得て、学生たちが趣向を凝らして作った家具
http://www.kyoto-np.co.jp/picture/2011/02/20110211091246rittou.jpg