「週刊新潮」で前科や生活を報じられ、プライバシーや名誉を侵されたとして、
元判事補の鬼頭史郎さん(77)=名古屋市北区=が発行元の新潮社などに
計500万円の慰謝料を求めた訴訟の判決で名古屋地裁は10日、訴えの一部を
認め、同社と酒井逸史編集長に計125万円の支払いを命じた。
判決理由で谷口豊裁判長は、鬼頭さんの経済状況や家族に関する記載がプライ
バシー侵害に当たると指摘したほか、記事の一部に「裏づけ取材がなく、記者が
真実と信じた相当な理由がない」として名誉毀損(きそん)を認めた。
一方、前科や罷免歴について谷口裁判長は、鬼頭さんが日本弁護士連合会に弁護
士登録を求めてきた経緯を挙げ「記載する相応の意義と必要性がある」と判断した。
判決によると、週刊新潮は、鬼頭さんが検事総長をかたって当時の三木武夫首相に
電話をかけたとして、法曹資格をはく奪されたことのほか、生活状況などについて
も掲載した。
■週刊新潮編集部の話…判決は受け入れがたいので控訴する。
▼中日新聞 [2011年2月11日 01時47分]
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011021090203540.html