北陸新幹線(長野―金沢間)の整備事業で、泉田知事が9日、建設負担金を新年度当初予算案に支払い分を
盛り込まない方針を示したのは、停車駅問題などで、国側との協議が一向に進まないことに業を煮やしたためだ。
今後の状況次第では、目標の2014年度開業に影響が出る可能性もある。
同日の定例記者会見やその後の記者団の取材に対し、国交省や事業主の鉄道建設・運輸施設整備支援機構
(横浜市)の姿勢を批判して、「県民の税金を充てるのはあり得ない」と強い口調で述べた
同新幹線の建設を巡っては、当初、1423億円とされた県の建設負担金について、同機構が09年2月、220億円の
増額を県に通知。その根拠について十分な説明がないうえ、県が主張する県内駅の全列車停車も結論が出ておらず、
知事は支払い協定の破棄を同機構に通告した。
泉田知事はこの日の定例記者会見で、この問題について「停滞している」と不満を示し、「(当時の)前原国交相と、
これから1年間をかけて、信頼関係を高めて話し合いをしましょうと(09年12月に)合意したが、それから1年が経過しても、
話し合いの機会が設けられなかった」とした。
さらに、09年11月に建設負担金の支払い協定の破棄を機構に通告したことなどから「(県は建設負担金の)債務を負っていない」
と繰り返し、過払いとして建設負担金の返還請求も辞さないというこれまでの姿勢についても「なんら変わりはない」とした。
同機構から県にこれまでのところ、新年度分の負担額は示されていない。
国交省によると、これまでに当初予算案に新幹線の建設負担金を盛り込まなかった事例は聞いたことがないという。
同省鉄道局施設課の担当者は、「どんな影響が出るのか、今後検討しないと分からない」とした。
▽読売新聞
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110210-OYT1T00415.htm