火星の北極冠周辺に見える黒っぽい砂丘は、二酸化炭素の昇華の影響で地滑りを起こし、
季節ごとに移動しているとする論文が、3日の米科学誌サイエンス(Science)に発表された。
火星の1年(680日)の間に砂丘が顕著に変化することは、米航空宇宙局(NASA)の火星
探査機「マーズ・リコネサンス・オービター(Mars Reconnaissance Orbiter、MRO」が撮影した
画像で明らかになった。
論文を執筆した米惑星科学研究所(Planetary Science Institute)のカンディス・ハンセン
(Candice Hansen)氏によると、1つ目の要因は、冬季に一帯を覆うドライアイスが春になると
昇華することだ。昇華により砂丘表面が不安定化し、地滑りを起こして、砂丘にくぼみや溝
などができる。
2つ目の要因は、非常に強い風が吹いていることだ。砂丘の風紋は、多方向から突風を受けた
ことを示している。論文は、二酸化炭素の霜の影響によるこのような現象は地球上では見られ
ないとしている。
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2784444/6769437