米国土安全保障省は5日までに、米アリゾナ州と国境を接するメキシコ内で同国の
麻薬密輸組織が造った、玩具のパチンコの原理を利用した古代投石機に似た密輸
用の大型の射出装置を発見、押収したと発表した。この種の手口は初めてとみられる。
地元メディアによると、重さ約1.8キロの荷物を弾き飛ばす性能があるという。国土安全
保障省は、男3人がこの装置を使って品物を国境フェンス越しに飛ばす場面のビデオ撮影
にも成功していた。
3人のうち2人が同装置から離れ、残りの1人がバネとなる部分を引っ張った後に放す
様子がとらえられていたという。
メキシコ治安当局の要員が現場に急行したが、3人は逃走した後だった。スポーツ用
多目的車(SUV)、重さ約20キロ分のマリフアナも押収した。CNN系列の地元テレビ
などによると、この捜査には米税関・国境警備局、アリゾナ州州兵当局も協力した。
現場は、アリゾナ州トゥーソンから南東へ約161キロ離れた地点で、州兵当局の遠隔
操作式の監視カメラが男3人による犯行をとらえていた。
米、メキシコ国境周辺では、新たな密輸の手口を次々と繰り出す麻薬密輸組織と
治安当局の攻防が続いており、地下トンネル、小型潜航艇、キリスト彫像、冷凍した
サメ、サンダル、子犬などを使った犯行がこれまで摘発されている。
http://www.cnn.co.jp/fringe/30001707.html