県内の2010年の自殺者数は356人で、09年の326人と比べ30人増えた。
自殺者の増加数が全国1位に躍り出た滋賀。全国的には34都道府県で自殺者数が
減少している。
事態を重く受け止めた県は2日、臨時の自殺対策連絡協議会を開いた。
「一人で悩み苦しまないで」との緊急メッセージを採択したが、待ったなしの
状況に委員から効果的な施策の必要性を訴える声が上がった。
県内の10年の自殺者数は、統計を取り始めた1996年から見ると、
05年の360人に次ぐ多さだった。
年代別では、40代の男女の自殺者数は61人で、09年と比べて20人増加。
最も自殺者数が多い50代の男女と合わせると35%を占めた。
全国で自殺者数が最も多い東京都でも09年と比べると、47人減っている。
近隣の三重県では118人減った。
県は、大津市京町の県厚生会館で、医師会や県自死遺族の会「凪の会おうみ」、
NPO法人「滋賀いのちの電話」など各種団体でつくる自殺対策連絡協議会を
急きょ開いた。
16人の委員が出席し、本年度に行政や各団体が取り組んだ啓発活動や
相談事業について議論。自殺の原因で、うつ病が108件あったことから、
効果的なうつ病対策の施策を求める意見があった。
行政の電話相談が昼間に集中していることに対し、「見直しが必要では」
との指摘もあった。
歯止めがかからない自殺者数に悔しさをにじませる委員からは、県が提案した
緊急メッセージの文面について、「誰に対するメッセージなのか」
「『サインに気づいて』とあるが、気づいていれば自殺者は増えていない」
などといら立ちに似た意見も飛び交った。
▼中日新聞 [2011年2月3日]
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20110203/CK2011020302000115.html