来年度の子ども手当の支給を巡って、48の県や市町村が、「国の政策であり、全額国が支出すべきだ」などとして、
地方自治体に求められている来年度分の負担を拒否する方針を示していることがNHKのまとめで分かりました。
子ども手当の支給を巡っては、来年度も引き続き支給する法案が、28日閣議で決まり、国は手当の財源のうち、
およそ19パーセントを都道府県と市町村に半分ずつ負担するよう求めています。これについてNHKが全国の放送局を
通じてまとめたところ、神奈川県や群馬県のほか、東京・国分寺市や千葉市、さいたま市など首都圏を中心にあわせて
48の県と市町村が自治体負担分の支出を拒否し、来年度の当初予算に計上しない方針を示していることが分かりました。
理由について、千葉市の熊谷俊人市長は「子ども手当は、地方自治体の創意工夫で変えることができない全国一律の
政策なので国が全額を負担すべきだ」としています。また、三重県松阪市の山中光茂市長は「待機児童の解消や
小児医療の充実など、地域で本当に必要な子育て支援策に財源を使いたい」としています。これらの自治体は、
いずれも法案が成立した場合、住民が混乱しないよう貯金に当たる財政調整基金を取り崩すなどして子ども手当を
全額支給する方針ですが、国に対しては支出を求め続けていくことにしています。行政学が専門の千葉大学の
新藤宗幸教授は「自治体の反発に一定の理解はするが、国と自治体の協議は不十分で双方に問題があると感じる。
どこが負担するのかという争いではなく、子どものために手当のような現金給付がいいのか、保育所などの基盤整備を優先するのか、
本質的な議論をすべきだ」と話しています。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110129/k10013720161000.html