西日本新聞
2011年1月27日 00:49
■市町村も防疫強化再確認
鹿児島県出水市の養鶏場で鶏の鳥インフルエンザ感染が確認された問題で、県は26日、家畜伝染病予防法
に基づき県内の鶏などの家禽(かきん)100羽以上を飼育する農家1031戸に施設を石灰などで消毒するように
命じた。各市町村も防疫強化を再確認した。
農林水産省の松木謙公政務官は同日、県庁を訪れ、伊藤祐一郎知事から状況報告を受けた。伊藤知事は
「どう展開するか分からないが、全力で拡大阻止に努めるので協力を」と求めた。松木政務官は出水市で
渋谷俊彦市長とも面会し「状況を見ればツルからの感染の可能性が高いと考えられるが、しっかり原因を
つかむよう頑張りたい」と話した。養鶏農家の補償については「一定のルールにのっとってされる」と語った。
同省からは感染経路調査や防疫活動支援などを目的に、専門家11人が県庁や出水市に派遣されている。
一方、各市町村も防疫に懸命だ。養鶏農家51戸(飼育数千羽以上)が約388万羽を飼う曽於市は、
出水市で鶏の感染疑いが出た25日、緊急に対策本部会議を開催。自家用やペットの鳥を飼う個人、
学校などの市内403カ所にも消毒用の石灰配布を決めた。鹿屋市も全養鶏農家に石灰を配るという。
養鶏農家51戸(同)が約296万羽を飼育する霧島市は12日から市内全戸に文書を配り、業者以外の
鳥の飼育状況を調査中だった。出水市の感染確認を受け、27日にも急きょ、有線放送で住民に消毒徹底を
呼び掛けることを決めた。
19戸(同)が約60万羽を飼育する鹿児島市も26日、対策本部会議を開き、鳥インフルエンザが卵や肉を
通じて人に感染しないことを住民に周知する方針を確認。松木園富雄副市長は「農家に風評被害が
起きないよう努めたい」と話している。
=2011/01/27付 西日本新聞朝刊=
ソース
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/223302