拡大する宮崎県の鳥インフルエンザ問題。2例目の感染が確認され、24日に鶏の
処分が本格化した養鶏場は約41万羽もの採卵用鶏を飼育する養鶏団地の一角だった。
機械化などに伴い、大規模集中化が進んだ養鶏場。大手は120万羽規模の
養鶏場をいくつも所有する。コスト削減が期待でき、一元的に衛生管理できる半面、
ひとたびウイルスが入れば損失も大きい。
養鶏場の大規模化は、エサやり機などの機械化に伴い、年々進んできた。農林
水産省の統計によると、採卵用鶏について、昭和39年には全国で約350万戸が
計約8千万羽を飼育していたが、平成21年には飼育数が1億4千万羽に増えたにも
かかわらず、養鶏場の戸数はわずか0・2%の約3100戸に激減。1戸当たりの
平均飼育数は21年で約4万5千羽と大規模化が顕著になっている。
全国11カ所に120万羽以上の規模の養鶏場を持ち、計約9千万羽を飼育する鶏卵の
生産販売大手「イセ食品」(埼玉県鴻巣市)によると、大規模に飼育することで、飼料の
購入や出荷時の運搬などの経費削減ができるという。同社の佐藤七夫専務は「飼料
価格が高騰し、『物価の優等生』といわれる安い価格を維持しようと各社ともコスト削減に
必死だ。大規模化すれば投資額は多いがムダが省け、安全でおいしい卵を
安定供給できる」とメリットを説明する。
衛生管理も一律にできる。鶏舎は窓のないものに統一。感染した鳥の羽や糞などが
入らないようフィルターを通して換気する。また、関係者以外が中に入らないよう警備員を
配置し、入る際は服や靴を替えて消毒。幹部さえ簡単には入れない。しかし、大規模
養鶏場はメリットばかりではない。佐藤氏は「仮に発生すれば経済的損失は大きい上、
出荷の責任が果たせずに大問題だ」と警戒を強める。
農水省によると、こうした大規模な養鶏場は飼料が搬入しやすいように、輸入飼料の
コンビナート近くに建てられることが多く、野鳥が多いなど鳥インフルエンザのウイルスが
運ばれやすい場所かどうかはあまり考慮されないという。また、複数の業者が固まって
養鶏団地を造っている場合、衛生管理の意識が徹底されない側面もある。同省幹部は
「一つでも意識の低いところがあれば、そこから感染してしまう可能性がある」と指摘している。
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110124/trd11012421080171-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/life/news/110124/trd11012421080171-n2.htm 関連スレ
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