宮崎県は24日、宮崎市の養鶏場で発生した高病原性鳥インフルエンザのウイルスを遺伝子解析した結果、強毒タイプと判明したと発表した。
ウイルスは昨年11月以降、安来市の養鶏場と鹿児島県出水平野のナベヅルから検出されたものと、極めて近いタイプと確認された。
農林水産省の疫学調査チームは、ウイルスの感染に渡り鳥などの野鳥が媒介した可能性もあるとみて感染ルートの特定などを急ぐ。
強毒性ウイルスは致死率が非常に高く、肉用若鶏の出荷数が鹿児島県に次いで全国2位と養鶏業が盛んな宮崎県内への感染拡大が懸念される。
県はウイルスの早期封じ込めを図るため、県内で今年2例目の鳥インフルエンザ感染が確認された、新富町の農場の全約41万羽の殺処分を急ぐ。
河野俊嗣こうの・しゅんじ知事は「発生農場などの防疫作業は既に強毒型を想定し、できる限りの対応はしているが、一層の防疫対策に励む」としている。
農水省によると、1例目の宮崎市の養鶏場で防鳥ネットに数カ所の隙間や穴が開いているのを、同省の調査チームが23日に発見。
養鶏場の従業員は「鶏舎内で野鳥を見たことはない」と話したという。
県は24日、陸上自衛隊に災害派遣を要請。陸自は都城駐屯地(同県都城市)から約170人を新富町に派遣、25日以降、処分した鶏を埋める作業などに入る。
新富町で殺処分した鶏は農場の敷地内に埋めるが、作業に数日かかるという。宮崎市の養鶏農場で既に殺処分した約1万羽の焼却も進めている。
農水省の松木謙公政務官は河野知事とともに農場周辺を視察した。
環境省は24日、発生した養鶏場から半径10キロ圏に生息する野鳥の警戒レベルを3に引き上げるなど野鳥への監視を強化するとともに、
野鳥の感染状況を把握するための現地調査を実施すると発表した。
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201101240217.html