5歳の長女を虐待して死なせたとして傷害致死罪に問われた母親の江頭順子被告(34)の裁判員裁判判決で
福岡地裁は21日「犯行は陰湿ないたぶり行為で、結果も重大」として懲役6年(求刑懲役10年)を言い渡した。
判決理由で野島秀夫裁判長は「親から理不尽な暴行を受け、亡くなった被害者の思いや苦痛は察するに余りある」と指摘。
量刑では、事件後、江頭被告が自殺を図るなど後悔し、深く反省していることを考慮した。
判決は、虐待の動機について江頭被告が離婚後に孤立した状態に置かれ「唯一の相談相手だった友人女性に意に沿わない
態度を取る長女を改めさせるためだった」と認定。
弁護側は「友人から虐待の示唆を受けた」と主張していたが判決は「そうであっても、犯行は被告の判断で行っており
責任が軽減されることはない」とした。
判決によると江頭被告は昨年6月27日、福岡県久留米市の当時の自宅で、長女萌音(もね)ちゃんにペットボトルなどを
入れたリュックサック2個(計約7キロ)を背負わせるなどして棚に縛り付け、顔にタオルを巻き付けて放置、死亡させた。
被告の弁護士によると、江頭被告は控訴しない方針。
=2011/01/22付 西日本新聞朝刊=
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/222420