草津町草津の国立ハンセン病療養所「栗生(くりう)楽泉(らくせん)園」で19日、
園内にあった監禁施設「重監房」を展示施設として復元するための第5回ワーキンググループが開かれ、
厚生労働省の担当者は11年度予算案に復元費用4900万円が盛り込まれることを入所者らに説明した。
12年度の完成を目指して詳細などを協議する。
同園などによると、数層のコンクリート壁に囲まれた重監房は8室の独房があった。
真冬の氷点下に下がっても暖房器具などなく、食事も満足に与えられなかったという。
1938年から47年まで「規律違反を犯した」などとして全国の療養所から92人が収容され、22人が凍傷などで死亡した。
重監房は戦後に取り壊され、今は基礎部分が残っており、
ハンセン病訴訟で熊本地裁が01年に国の隔離政策を違憲と判断したのをきっかけに隔離政策の象徴として注目を集め、
04年に復元を求める約10万人分の署名が同省に提出された。
ワーキンググループは昨年度から始まり、跡地の現地調査や、
重監房についての証言集めを行っている。同園自治会の藤田三四郎会長(84)は
「入所者の平均年齢は82・7歳。当時を知る人は少なくなっている。迅速に復元を進めてほしい」と話した。
ソース:毎日新聞
http://mainichi.jp/area/gunma/news/20110120ddlk10040145000c.html