中国の李克強副首相は4日から12日までの日程でスペイン、ドイツ、
英国を訪問する。李副首相は3日付のスペインのエル・パイス紙に
寄稿し、中国がスペイン国債を買い増す意向を示した。中国首脳は
財政赤字に悩むギリシャやポルトガルを訪れた際にも財政再建への
支援を表明しており、欧州国債市場で存在感を増している。
最初の訪問国となるスペインでは5日にサパテロ首相と会談する。
エル・パイスで李副首相は「中国は欧州やスペインの金融市場で
投資家として責任があり、スペイン経済を信頼している。今後も
国債購入を続けるだろう」と述べ、スペイン訪問にあわせ国債買い
増しを表明する可能性を示した。
中国首脳では胡錦濤国家主席が11月にポルトガルを訪れ、経済支援を
約束したばかり。過剰な財政赤字を抱えるスペインやポルトガル国債
の利回りは高止まりしており、中国が購入方針を示せば利回り上昇
圧力を和らげる効果を見込める。一方で欧州では、経済力と外貨を
背景にした中国の外交姿勢に対する警戒感も広がっている。
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE2E6E2E1978DE2E6E2E3E0E2E3E39494E0E2E2E2