中国・江蘇省南京市の地下鉄駅構内に生きたカニを売る自動販売機
が登場した。チャイナフォトプレスの報道。
この地方では淡水蟹が好んで食される。ブランド物となると“上海
蟹”として日本でも有名だが、上海蟹でなくとも、蒸し蟹は地元民
の大好物である。このほど、南京市の地下鉄構内に登場した自動販
売機は、サイズ別に5〜25元(約63〜310円)の価格帯で淡水蟹を販売
し、1日100匹を売りさばくという。
自販機開発メーカーの史団結(シー・トアンジエ)社長は、「買って
帰ってすぐ調理」できる同社商品は安くて便利ということで、とく
に若い顧客に受け入れられていると話す。淡水蟹は死んでしまうと
傷むのが早く、調理する時は生きたまま処理しなければならないた
め、市場に並ぶ商品は通常、活きのいいものを固くひもでしばった
形で販売している。しかし、同社商品はひもを使用せず、プラスチ
ック製の箱で包装することで、開封したらすぐに鍋に放り込むだけ
という点が便利という訳だ。また、価格が市場相場の半値近くに抑
えられている原因は、コスト安によるものだという。もし店舗を構
えて販売するなら、家賃に従業員の賃金を加え、年間で10万元(約
125万円)ほどは必要になるが、自販機の場合は2万元(約25万円)の
設備製造費を除き、コストは基本的にゼロに近い。
しかし、販売の最大のネックは「カニを生かしたままにしておくこと」。
庫内でカニが死んでしまったら商品にならないからだ。この点、自
販機内は 0〜10℃に保たれ、作業員が毎日チェックを行うことで解
決している。カニは7〜10日は生きたままでいるそうだが、そもそも
売れ行きが良いゆえ、1日2 回は商品の補充がされるようだ。なお、
万が一死んだカニが出た場合には、1匹につき3匹と交換してくれるそう。
好評を受け、近く別の地下鉄駅にもう1台を設置し、その反応次第で、
来年には全国展開も計画しているという。
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