●名古屋地裁 県教委の決定取り消し
発達障害のある生徒が通う高校での生徒指導をめぐり、
県教育委員会が指導記録の開示請求に応じなかったことの是非が争われた訴訟で、
名古屋地裁は11日、県教委の不開示決定を取り消す判決を言い渡した。
県教委は記録の有無を明らかにしないで「生徒個人を特定しかねない」との理由で不開示としていたが、
増田稔裁判長は「有無を明らかにしても個人の特定にはつながらない」と判断。
「個人識別情報をのぞいて請求があれば速やかに開示すべきだという県条例の趣旨に反し、違法と言わざるを得ない」と指摘した。
原告は安城市の男性。判決などによると、昨年11月16日、県立高校のうち68校について
「発達障害などを有すると考える児童生徒に対する指導助言が記載されている文書」の開示を県教委に請求した。
県教委は同月26日以降、男性に対して各校別に順次、不開示を通知。記録の有無も明かさなかった。
これに対し、判決は各校別とした県教委の通知方法を問題視。
「原告は各校別の文書開示を求めておらず、68校全体として請求の当否を判断すれば、
文書の有無を明らかにしても個人識別情報を開示することにはならない」とした。
県教委は「意外な判決で、内容を検討して控訴するか決めたい」とコメントした。
(志村英司)
ソース 朝日新聞 2010年11月12日
http://mytown.asahi.com/aichi/news.php?k_id=24000001011120002