不破郡関ケ原町の小学校統廃合をめぐり、
町に提出された反対署名簿の署名者に、町が戸別訪問して意思確認したのは人権侵害だとして、
町民8人が町に計440万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が10日、岐阜地裁であった。
内田計一裁判長は町の戸別訪問の違法性を認めて計1万5400円の支払いを命じた。
原告団は判決の一部に不満を示しつつも「勝利したと確信している」と胸をなでおろした。
判決によると、住民グループは2005(平成17)年9月までに5208人分の署名を提出。
浅井健太郎町長の指示を受けた町職員が、署名簿をもとに作成した一覧表を使って戸別訪問し
▽署名は自署か▽署名の依頼者
▽統廃合に反対する考えは今も変わらないか―などを聞き取った。
判決では、署名簿の署名が本物か疑わしかったり趣旨が明瞭でない場合は戸別訪問調査は許されるとした。
しかし、今回の戸別訪問は署名の依頼者を尋ねるといった目的を超えた質問があり「不当な圧力を加えたと認められる」と判断。
調査を指示した浅井町長について「署名活動者と署名者の請願権、表現の自由を侵害した」と認定。
町は署名を集めた町民6人に各2200円、戸別訪問を受けた町民2人に各1100円を支払うよう命じた。
一方、町が作成した戸別訪問用の一覧表は調査に必要な「必要最小限度のもの」とし、プライバシー権の侵害には当たらないと判断。
戸別訪問を受けた町民2人は調査に同意していたとして、思想・良心の自由の侵害もなかったとした。
判決を受け、浅井町長は
「訪問調査そのものの正当性は認められており評価している。
賠償判決となった部分については、判決内容をよく検討してから控訴の是非を判断したい。
裁判費用は全額原告負担であるため、実質勝訴と考えている」とコメントした。
ソース 岐阜新聞 2010年11月10日15:00
http://www.gifu-np.co.jp/news/kennai/20101110/201011101500_12120.shtml