覚せい剤の密売に関与したとして、つくば中央署と県警薬物銃器対策課がイラン人の男を逮捕し、
覚せい剤約800グラム(末端価格約7200万円相当)を押収していたことが13日、捜査関係者への取材で分かった。
同課によると、覚せい剤の押収量としては今年最多で、昨年の押収量の約2倍。
県警は県内外で覚せい剤を売りさばくイラン人の売人がいるとみて、密売組織や販売ルートの解明に全力を挙げている。
同課によると、昨年1年間の県内の覚せい剤押収量は約400グラム。
「今回は相当の量」(捜査関係者)としている。
捜査関係者によると、約800グラムの覚せい剤は今年6月上旬ごろ、海外から国際貨物便として空輸された。
東京税関で箱に詰められているのが発見され、あて先がつくば市内の国際便を扱う運送会社だったため、
同署などが捜査を始めた。
運送会社は県南地域の日本人宅に約800グラムの覚せい剤が入った箱を配達。
同署などは同月上旬ごろ、箱を押収した上、イラン人の男を覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで逮捕。
その後、同法違反(使用)の疑いで再逮捕した。
捜査関係者によると、逮捕されたイラン人の妻はタイ人で、日本人はこの妻から「名義を貸して欲しい」と頼まれたという。
水戸地検土浦支部は13日までに、同法違反(使用)の罪で、男を水戸地裁土浦支部に起訴した。
同署によると、県内はイラン人組織が薬物の密売に深くかかわっているという。
昨年の来日外国人による覚せい剤が絡む犯罪のうち、イラン人の摘発は85人で最多。
うち、所持や譲渡の営利犯が67人で約8割を占める。
携帯電話で客に接触場所を指定し、交渉役や代金を受け取る役を分担して巧妙に密売を重ねている。
http://www.ibaraki-np.co.jp/news/news.php?f_jun=12843885592004 (茨城新聞)