民主党代表選で菅直人首相が14日再選されたことに関し、欧米メディアでは小沢一郎前幹事長の処遇次第では政権基盤が
弱まりかねないとの論調が目立つ。アジア各国でも関心は高いが、再選を比較的冷静に受け止めている。
米ウォール・ストリート・ジャーナル紙(電子版)は菅首相について「2週間にわたる激しい選挙戦によって二分された党内を、再び一つ
の組織へとまとめ上げる難しい役割を担っている」などと課題を指摘した。
米誌フォーブス(電子版)は「『イラ菅』が『闇将軍』を処刑した」とやや刺激的な書き出しの記事を掲載。菅首相が「長く民主党の
黒幕だった小沢氏による予期せぬ挑戦を退けた」とした。
英フィナンシャル・タイムズ紙(電子版)は、菅首相について「公約の実行を巡り(党内の)政策の違いが生じるなか、党が結束を維持
できるかは疑問も残る」と批評。ロシア通信は政治学者の見方として、菅首相は政策決定で小沢氏の支持者の意向を反映せざるを
得なくなると指摘し、小沢氏が政権の中枢に復帰する可能性を排除できないとの見方を伝えた。
政策面では、米ブルームバーグ通信が菅首相の再選で「(円高阻止のため)為替介入する可能性が薄まった」とする識者のコメントを
紹介。フランスのAFP通信は菅首相が「持続的な社会保障制度のため大規模な税制改正に取り組んでいる」とし、「赤字財政の
再建策を推進している」などと評した。
アジアでは、中国の国営中央テレビは14日朝から代表選を「横綱対決」などと大きく報道、高い関心を示した。
韓国では菅首相、小沢氏をともに「親韓」と見る向きが多く、代表選の結果を冷静に受け止めている。外交通商省の当局者は14日、
「日本の政局が安定することを期待し、韓日関係がつまずくことなく進展することを期待する」と述べた。
ソース(日本経済新聞)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C9381959FE3E6E2E1E58DE3E6E2EBE0E2E3E29494E3E2E2E2;at=DGXZZO0195570008122009000000