十勝圏振興機構(とかち財団、理事長・高橋勝坦帯広商工会議所会頭)が、2008年度に取得した地方債
(額面4億円)で当初見込みの運用益を上げられず、道から運用改善の指導を受けていたことが13日までに
明らかになった。同財団は地方債を取得額より約6600万円下回る額で売却したが、同時に利子が安定して
いる国債(額面4億円)に買い替えしており、基本財産(約12億7000万円)への損失はないとしている。
財務諸表の記載も道の指導に応じ、債権の額面から取得金額(帳簿価格)などに改善した。高橋理事長は同日
午前、市内で記者会見し、「運用に関する協議会を早急につくりたい」と述べた。
とかち財団によると、08年4月に資産運用の一環で地方債の京都市債(満期20年・元本保証)を4億円
で取得。1年目の金利は3%と高いが、2年目以降は豪ドルに連動して金利が変わる「仕組み債」と呼ばれる
ものだった。08年秋の米リーマン・ショックを契機に円高が進行し、金利が0%に近い水準まで下がった
ため、09年1月に約3億3375万円で売却。取得額との差額で6625万円の損失が発生した。
同財団は同時期、金利が約1%と安定し満期まで残り23年の既発国債(額面4億円・満期30年)を3億
4123万円で購入。地方債売却額と国債取得額の差額(748万円)は損失となるが、満期まで国債を保有
すれば元利合わせて4億8800万円が償還されるため、最終的に「損失は出ない」としている。
とかち財団は2008年度まで決算書には額面額で表示、この間の売買経過が分からないようになっていた。
道は昨年9月の定例検査で地方債の低利率見通しを把握、同年12月4日付で改善を求める指導文書を財団に
通知した。国は公益法人の適正な財産運用を求めて指針をまとめており、道総務部も財産運用の適正を昨年
11月に通知していた。財団側は09年度決算から額面額をやめ、取得額などの表示に改めている。
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ソース:
http://www.tokachi.co.jp/news/201009/20100913-0006600.php