#とかち財団 地方債取得で一時6600万円損失 2010年09月13日 14時44分
十勝圏振興機構(とかち財団、理事長・高橋勝坦帯広商工会議所会頭)が、
2008年度に取得した地方債(額面4億円)で当初見込みの運用益を上げられ
ず、道から運用改善の指導を受けていたことが13日までに明らかになった。同
財団は地方債を取得額より約6600万円下回る額で売却したが、同時に利子が
安定している国債(額面4億円)に買い替えしており、基本財産(約12億7000万
円)への損失はないとしている。財務諸表の記載も道の指導に応じ、債権の額面
から取得金額(帳簿価格)などに改善した。高橋理事長は同日午前、市内で記者
会見し、「運用に関する協議会を早急につくりたい」と述べた。
とかち財団によると、08年4月に資産運用の一環で地方債の京都市債(満期20
年・元本保証)を4億円で取得。1年目の金利は3%と高いが、2年目以降は豪ドル
に連動して金利が変わる「仕組み債」と呼ばれるものだった。08年秋の米リーマン
・ショックを契機に円高が進行し、金利が0%に近い水準まで下がったため、09年
1月に約3億3375万円で売却。取得額との差額で6625万円の損失が発生した。
同財団は同時期、金利が約1%と安定し満期まで残り23年の既発国債(額面4
億円・満期30年)を3億4123万円で購入。地方債売却額と国債取得額の差額(
748万円)は損失となるが、満期まで国債を保有すれば元利合わせて4億8800
万円が償還されるため、最終的に「損失は出ない」としている。
とかち財団は2008年度まで決算書には額面額で表示、この間の売買経過が
分からないようになっていた。道は昨年9月の定例検査で地方債の低利率見通
しを把握、同年12月4日付で改善を求める指導文書を財団に通知した。国は公
益法人の適正な財産運用を求めて指針をまとめており、道総務部も財産運用の
適正を昨年11月に通知していた。財団側は09年度決算から額面額をやめ、取
得額などの表示に改めている。
高橋理事長は13日の記者会見で「債券は満期まで持つことを原則に行ってき
た。今回は安定した利息が見込めなかったので切り替えた。毎年の収益に支障
を来すものではない」と説明した。
とかち財団には道、管内19市町村、民間企業など計117団体が出資。産学官
連携による農業の高付加価値化、新事業創出などを行っている。同財団の理事
長は2009年3月まで有塚利宣氏(十勝地区農協組合長会会長)が務め、同年
4月から高橋理事長に移行している。
ソース:十勝毎日新聞
http://www.tokachi.co.jp/news/201009/20100913-0006600.php