ブルームバーグ市長は26日、被害者の運転手を市役所に招いて励ましの言葉を述べた。
米中枢同時テロの現場となった世界貿易センター跡地近くのモスク(イスラム教礼拝所)建設計画をめぐる論争が続く中、
市民に融和を呼びかけたかたちだ。
事件が起きたのは24日夕。タクシーに乗り込んだ大学生、マイケル・エンライト容疑者(21)が、
運転手のアハメド・シャリフさん(43)に「イスラム教徒か」と質問した後、首や顔に切りつけた。
容疑者は当時、酒に酔っていたという。
信仰の自由を理由にモスク計画を一貫して強く支持しているブルームバーグ市長は、
「米国には言論の自由がある。こうした事件は二度と起きてはならない」とし、
イスラム教への偏見が強まることへの危惧(きぐ)をあらわにした。
事件を謎めかせているのは、エンライト容疑者が過去に宗教間の対話を提唱するボランティア団体に参加し、
その活動の一環としてアフガニスタンに駐留する米軍にも随行していたことがある事実だ。
同団体の責任者は米メディアに対し、「(エンライト容疑者は)アフガニスタンではイスラム教徒とともに仕事をし、
現地の人々、とりわけ子供たちについて深く心を痛めていたのだが」と話している。
ソース 産経新聞 2010.8.27 20:48
http://sankei.jp.msn.com/world/america/100827/amr1008272049010-n1.htm