遺伝子を組み換え、紫外線を当てると全身が緑色に光るコオロギをつくることに、
徳島大学の研究グループが世界で初めて成功した。
27日付の米科学誌「カレントバイオロジー」電子版に掲載される。
成功したのは、徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部の野地澄晴教授、三戸太郎助教、同大知的財産本部の中村太郎研究員ら。
グループは紫外線で緑色に光るタンパク質をつくるクラゲの「GFP遺伝子」をコオロギの卵に注入し、染色体に「GFP遺伝子」を組み込んだ。
生まれたコオロギを掛け合わせ、2世代目以降のコオロギは、卵の段階から紫外線を当てると光るようになった。
実験を通じて、卵の段階で細胞の動きが観察でき、これまで分かっていなかった胚の形成過程が分かった。
光るコオロギの染色体に病気の原因となる遺伝子を組み込ませることにより、
ヒトの病気が発症するメカニズムを解析できる可能性もあるという。
理化学研究所発生・再生科学総合研究センターの林茂生グループディレクターの話
コオロギの胚の形成過程を解明した学術的意義は大きく、ヒトの病気の原因遺伝子を組み込んだコオロギからは
治療薬の開発や効果を検討することもできる。
ソース 徳島新聞 2010/8/27 10:11
http://www.topics.or.jp/localNews/news/2010/08/2010_128287150091.html