深刻な洪水被害に見舞われているパキスタンで、政府は26日、
南部シンド州で新たな洪水発生の恐れがあるとして、50万人に緊急避難命令を出した。
政府高官によると、インダス川の増水で堤防の1つが決壊し、洪水の危険が高まった。
このためシンド州の主要3都市と周辺の町村の住民に対し、速やかに避難するよう呼びかけている。
残る堤防や土手も決壊の恐れがあるほか、一帯では降雨も予想され、多数の住民が危険にさらされる状況が続いている。
インダス川流域の町では同日、モスク(イスラム礼拝所)のサイレンが鳴り響いた。
パキスタンでは洪水発生から1カ月近くが経過し、これまでに1700万人が被災した。
食料や水を提供している避難所には、毎日のように新たな被災者が押し寄せている。
現地では各国からの救援部隊が支援活動に当たっている。
しかしパキスタンでは米国がテロ撲滅作戦を進めており、過去には人道支援団体を狙った攻撃も起きている。
米国務省広報担当のクローリー氏は26日、外国からの支援部隊が危険にさらされているとの情報が入ったと記者団に語った。
これに対して国連人道問題調整事務所(UNOCHA)の報道官は、
「救援活動中にそうした事態が起きることを恐れる理由はない。われわれの活動を標的にすれば、
われわれが救おうとしている何百万もの人々に危害が及ぶ」と強調している。
ソース CNN 2010.08.27 09:45
http://www.cnn.co.jp/world/AIC201008270003.html