畜産関連基金に余剰金404億円 会計検査院、返納求める
2010/8/25 20:49
畜産農家の経営支援などを目的とした11公益法人の計16基金に、約404億円の余剰金があることが25日、会計検査院の
調査で分かった。検査院は必要額の10倍近い巨額の余剰金があると認定、基金に補助金を交付した農林水産省と
独立行政法人の農畜産業振興機構に対し、余剰分を返納させ、適正規模に戻すよう見直しを求めた。
各基金は、牛肉価格の下落や口蹄疫(こうていえき)など病害の発生などに伴う畜産農家の経営悪化に備えるため、国の
補助金や牛肉関税を財源に設けられた。検査院は昨年以降、関連12公益法人の計23基金を対象に調査を実施した。
その結果、全国肉用牛振興基金協会の基金では、BSE(牛海綿状脳症)対策に追われた2003年度でも、年度末の資金
保有額は畜産農家に拠出した実績の18倍も基金を積み立てていたことが判明。中央畜産会では、農家の借入資金の利子
補給目的の基金について、毎年必要な額ではなく、数年後の事業終了までの補給見込み総額を設立当初から保有するなど、
計11法人の16基金で余剰金を抱えていると指摘した。
16基金の08年度末の資金保有総額は約960億円で、原資の大半が補助金。検査院は基金の必要保有額を1年分で43億円
程度と試算。09年度に自主的な見直しで約448億円を返還したが、検査院はそれでもなお、約404億円が余剰だと判断した。
畜産関係の基金は政府の事業仕分けでも過大と指摘されていた。
16基金のうち2基金は、口蹄疫など家畜伝染病発生時の防疫や経営支援に関する基金。農水省は「過去に大きな伝染病は
なかったが、口蹄疫が発生し、大きく状況が変わった。基金が不足し、予算措置が必要な状況」としている。
ソース: 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E0E7E2E6E08DE0E7E2EAE0E2E3E29180EAE2E2E2 ※依頼があり立てました。