◆週末の米会合、世界の中銀当局者が「紙幣増刷」の是非を議論へ
[ワシントン 25日 ロイター] 世界経済を取り巻く環境が悪化するなか、今週末に米ワイオミング州ジャクソンホール
で開かれるカンザス地区連銀主催の年次シンポジウムに各国の中央銀行幹部が集まり、景気刺激のため「紙幣を増刷する」措
置の是非などについて議論が行われる見通しだ。
会合では、バーナンキ米連邦準備理事会(FRB)議長が米経済の見通しについて見解を示すとみられるが、FRBが「紙幣
増刷」に乗り出すかどうかについては、多くのヒントを与えないと予想されている。
会合には、好調なドイツ経済と景気が悪化している周辺国の二極化に直面しているトリシェ欧州中央銀行(ECB)総裁や、
イングランド銀行(英中央銀行)および日銀などの当局者も参加し、政策金利の引き下げ余地が限られるなか、景気刺激に向け
た最後の手段について議論するとみられる。
三菱東京UFJ銀行(ニューヨーク)のエコノミスト、エレン・ゼントナー氏は「6月と7月に景気が失速したのは米国ば
かりではない。世界全体が壁にぶち当たっている」と述べた。
バーナンキ議長は27日に講演する予定。FRBによる短期的な景気支援策を探る上で、議長のスピーチは注目を集めそう
だ。
FRBは8月10日に、保有するモーゲージ担保証券の償還資金で米国債を買い入れる方針を表明した。
現在の焦点は、FRBが資金供給を強化するため、さらに積極的な国債買い入れを開始するかどうかという点にある。
ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙は24日、前回の連邦公開市場委員会(FOMC)では、これまで考えられて
いた以上のメンバーが国債買い入れに懸念を示すか、あるいは異論を唱えていたと伝えた。その通りだとすれば、FRBにとっ
て資産買い入れ拡大のハードルが高くなったことを意味する。
ゴールドマン・サックスのアナリストはリサーチノートの中で「このような環境においては、バーナンキ議長が将来の政策に
ついて示唆するのは時期尚早だ。むしろ、FRBや米経済が置かれている状況に焦点をあてるだろう」と指摘した。
ソース:ロイター 2010/08/25 16:17
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-16932420100825