米国民5人のうちほぼ1人がオバマ大統領がイスラム教徒と思い込んでいることが最新世論調査結果で19日分かった。
昨年調査で10人のうち約1人との同様回答からは比率が増えていた。
世論調査機関ピューが実施した今回調査では、キリスト教徒との正しい回答は約3分の1だった。
調査結果によると、オバマ氏はイスラム教徒とする回答者の大多数は共和党員もしくは支持者だった。
しかし、無党派による同様回答も昨年調査の10%から18%に増加。
また、オバマ氏率いる民主党党員らの間でも大統領の信仰宗教への正解が減り、党員とアフリカ系(黒人)で半数以下に後退していた。
昨年3月に実施された調査では、黒人の36%がオバマ氏の宗派を知らなかったが、今回は46%に増えていた。
ピューの世論調査担当者は、大統領の在任期間が長くなれば、
大統領について知らない情報が減っていくのが通例だが、オバマ氏の宗派に関してはこの限りではないと指摘している。
オバマ氏は2008年の大統領選や昨年1月の就任後の最初の期間は、
パンフレットなどを出し自らがキリスト教徒であることを宣伝したが、最近はこの種の活動を控えている。
ホワイトハウスは、オバマ大統領が通う教会の場所を明らかにしたこともない。
ピューの世論調査担当者は、宗教問題や活動について
積極的な発言を行ったブッシュ前大統領と比べれば、オバマ氏は好対照ともしている。
しかし、ホワイトハウスはオバマ氏が宗教問題に関心がないとする見方を否定、
大統領が就任後、ホワイトハウス内に初めて各宗派指導者から成る宗教問題に関する諮問委員会を新設した事実と共に、
オバマ氏がこれまで6回にわたって宗教に関する演説を行ったと強調している。
大統領が宗教問題に積極的ではないとの受け止め方は、医療保険制度改革、イラク駐留米軍の撤退や経済再建など
関心を強く集める問題に比べメディアが大きく報道しないのが原因とも指摘している。
少年期をインドネシアで過ごしたこともあるオバマ氏がイスラム教徒ではないかとの憶測は、
2007年に大統領選への立候補を表明して以来、常につきまとってきた。インドネシアは世界最大のイスラム教徒人口を抱える。
米国では現在、01年9月の米同時多発テロで崩壊したニューヨークの世界貿易センタービル跡地の近くに
モスク(イスラム礼拝所)建設が計画され、米社会で賛否が分かれる問題となっているが、
オバマ米大統領は先に、イスラム教徒はほかの米国民と同様、自らの宗教を実践する権利を持っていると述べ、
モスク建設を支持する考えを明らかにした。
ピューによる今回調査は、モスク問題に関する大統領の見解が発表される前の7月下旬から8月初旬にかけて実施された。
ソース CNN 2010.08.19 18:56
http://www.cnn.co.jp/usa/AIC201008190029.html