台湾の馬英九総統は18日、台北市内の総統府で、産経新聞の片山雅文・東京本社編集局長と会見し、
中国の急軍拡などで緊張の度を増す東アジア情勢に触れて、「日米同盟が東アジアの平和と安定の基礎だ」と強調した。
馬総統は、中国との間で自由貿易協定(FTA)に相当する経済協力枠組み協定(ECFA)を6月に締結するなど
経済中心の協力を拡大する一方で、「大陸(中国)の軍拡に変化は見られず、国防については警戒心を緩めていない」とも述べ、
「米国から引き続き武器を購入するなどして米台の軍事協力を維持する」考えを表明した。
さらに、「安保条約に基づく日米同盟関係支持」の姿勢を再確認。
鳩山由紀夫・民主党前政権発足を機に悪化した日米関係が、菅直人首相の下で修復に向かうことへの期待を表明した。
日台間では、一昨年5月の馬政権発足後間もなく、
尖閣諸島(中国語名、釣魚島)近海で起きた日本の巡視船と台湾の遊漁船の衝突事故で関係が悪化した。
馬総統はこれに関し「領土・領海問題ではお互いの立場が異なり、解決の機が熟していない」として原則問題を当面棚上げし、
「漁民の操業権について当局間の具体的コンセンサスを形成する」ことを提案した。
ECFAは、17日夜に台湾立法院(国会)で可決されており、
来年1月1日から、中国側539品目、台湾側267品目の輸入関税の段階的撤廃が始まる。
馬総統はECFAに基づく今後の中国との市場開放交渉について、
「モノとサービス両方の貿易自由化と投資保護協定の締結、貿易紛争発生時の早期解決メカニズムの構築の4つを目標としているが、
達成期限は設けていない」と語った。
ECFA締結を機に諸外国とのFTA締結交渉を加速することへの意欲も表明したが、
中国の反応に配慮してか、日米欧など主要国・地域との交渉の具体的計画などでは明言を避けた。
ECFA締結を機に中台平和条約締結など政治交渉を求める中国での動きについて、
「政治交渉の機は熟しておらず、そのためのタイムテーブルも設けていない」と慎重姿勢を示した。
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