タラワ(CNN)
太平洋戦争で米海兵隊と旧日本軍の激戦地となったキリバス共和国のタラワで、民間人や海兵隊員のチームが
戦死した米兵の遺骨を掘り起こす作業を進めている。
作業には約400人があたっており、3分の2を米兵が、残りの3分の1を民間人が占める。チームごとに別れて
地面を掘り起こし、見つかった遺骨はハワイのホノルルにある本部が行方不明者のリストと照らし合わせて身元を
照合する。
遺骨収集に当たっている共同プロジェクトJPACに参加している考古学者のグレゴリー・フォックスさんは「米政府も
戦士した兵士を帰還させるために全力を尽くすと約束してくれた」と話す。
タラワの激戦は、硫黄島の戦闘よりも前の1943年11月20日に始まった。海兵隊と日本軍との約72時間の戦闘で、
海兵隊員1000人以上が死亡。計画の甘さなどが一因となり、岸に泳ぎ着こうとして日本軍の銃弾を浴び死亡した
兵士は数百人に上った。
日本軍は海岸に要塞を築き、上陸しようとする海兵隊員を近距離から射撃したが、最終的には海兵隊が海岸を制圧して
戦闘に勝利した。この戦闘で、日本兵は推定4000人が死亡した。
海兵隊員の遺体は当初、タラワ各地の数カ所に埋葬されたが、日本兵数千人の遺体も含め、死者の数があまりに多かった
ため、米海軍がブルドーザーで処理した。米政府が戦後に一部の遺体を回収したが、全員の遺体は見つけられなかった。
今でもタラワには推定450人の海兵隊員が眠っているとされる。非営利団体が事前調査で埋葬場所を突き止め、その結果
に基づいてJPACが6カ所で掘り起こし作業を進めている。調査結果が正しければ100人以上の遺骨を回収できる見通し。
現地の建設作業などで遺体が見つかることもあり、11日には地元の当局からJPACに遺骨を引き渡す式典が開かれた。
JPACの作業は1カ月以上かけて行われる予定。大量の遺骨が見つかった場合は、ハワイの本部から考古学者が応援に
駆けつける。
ソース: CNN.co.jp
http://www.cnn.co.jp/usa/AIC201008130010.html 激戦地タラワで米兵の遺骨収集へ(C)John Torigoe/CNN
http://www.cnn.co.jp/usa/images/AIC201008130011.jpg ※依頼があり立てました。