100歳以上の高齢者63人の所在不明が判明した大阪市で、不明者が最も多かった西成区では、
大半が日雇い労働者の街・あいりん地区の半径数百メートル以内のエリアに集中していることが13日、市への取材で分かった。
同地区の不明者について、区は平成12年には所在不明を確認しており、なかには
数十年前に死亡したとの証言が得られたケースもあった。市では、かつての日雇い労働者が失業手当の給付金目的で、
便宜的に住民登録をしていたのが放置されていた可能性もあるとみて実態調査を進めている。
全国で相次いだ高齢者の所在不明問題を受けて市が緊急調査した結果、所在不明者63人のうち西成区は45人と突出。
9割近い約40人があいりん地区に集中し、ほとんどが単身の男性だった。
記録上は110歳の男性の住所地には木造2階建てのアパートがあり、区の担当者が調査で訪れると、
管理人は「その人は20年以上前に死んだはずだ」と話し、居住実態はつかめなかった。
戦前から日雇い労働者が集まるあいりん地区では、日雇い労働者が失業手当の
「求職者給付金」(通称・あぶれ手当)を受け取るには、雇用保険被保険者手帳(通称・白手帳)の
発行手続きに住民票を添付する必要があり、便宜的に同地区で住所登録をするケースも多かったという。
日雇い労働者向けの簡易宿泊所やアパートに住民登録をしたまま、全国各地の工事現場などに派遣される場合もあり、
アパートや簡易宿泊所では住民の入れ替わりが激しい。
西成区では、居住実態がないことを理由に区内だけで年間約400件、住民登録を削除している。
日雇い労働者は仕事が見つからず、そのままホームレスになるケースもある。
市が19年度、ホームレス約500人を調査したところ、約4割があいりん地区での求職経験があった。こうした労働者が
身元不明のまま死亡した場合、「行旅死亡人」として扱われ、都道府県や政令市が火葬。一方で住民登録は生き続けることになる。
区の住民登録の担当者は「福祉の担当者らから、居住実態のない住民について年間約800件の調査依頼がある。
今回の西成の所在不明者は、福祉担当者が何らかの理由で調査依頼をしないまま積み残してしまったのでは」と推測するが、
「詳しい理由は分からず、さらに調査したい」としている。
以下ソース:産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/local/100814/lcl1008140041001-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/politics/local/100814/lcl1008140041001-n2.htm http://sankei.jp.msn.com/politics/local/100814/lcl1008140041001-n3.htm