政府は11日、福山哲郎官房副長官を沖縄県に派遣し、
米軍普天間飛行場移設問題をめぐる今年5月28日の日米共同声明の内容を初めて正式に沖縄県に説明した。
正式説明は、日米合意から2か月以上たって行われた形だ。
日米合意は、同県名護市辺野古に建設する普天間代替施設の工法などを
「8月末までに」決めるとしているが、県側にそれを伝えたのは期限のわずか20日前だったことになる。
福山氏はこの日、仲井真弘多知事と約2時間半、県庁で会談した。
福山氏が日米共同声明に基づき、地元との協議を進める意向を示したのに対し、
仲井真氏は「このままでは受け入れがたいという印象を強く持っている」と述べ、話し合いは進展しなかった。
会談は、政府が「県外移設」を断念した経緯について、県が説明を求めていたことを踏まえ、
普天間問題で沖縄県との窓口を務める仙谷官房長官が「名代」として福山氏を派遣した。
福山氏は会談で、県外移設を実現できなかったことについて
「沖縄の皆様にご心配とご迷惑をおかけし、心からおわびする」と陳謝。
「県内移設」を決断した理由について、「米軍の抑止力」など、「安全保障上の必要性」を挙げた。
これに対し、仲井真氏は鳩山前首相が昨年の衆院選で「最低でも県外」と発言していたことを念頭に、
「県外移設の『公約』が180度変わったと県民が受け取っている」と指摘。
地元・名護市や県民に民主党が直接、説明する機会を設けるよう要請した。
政府は、8月末までに普天間飛行場の代替施設の位置や工法の検討を完了するとした
日米共同声明に基づき、日米間の実務者協議を加速させている。
福山氏は「県の頭越しでなく、相談しながら理解を得ていきたい」と述べたが、
仲井真氏は「県民を納得させる説明がなければ、テクニカル(技術的)なところに入りにくい」と疑問を呈した。
出席者によると、福山氏からは、代替施設の工法など、日米が進める検討状況に関する説明はなかったという。
会談には、政府側から滝野欣弥官房副長官と外務、防衛両省の担当者、県側からは副知事や事務方が同席した。
沖縄県との本格的な調整に政府がようやく着手したのは、
「地元の頭越し」との批判をかわす狙いがあるとみられる。
ただ、仙谷氏は11日、首相官邸で会談した石井一・民主党副代表に対し
「あんまり急ぐと沖縄がついてこられない。もう少し時間をかける」と述べたといい、
8月末の期限にこだわるべきではないとの考えをにじませたという。
福山氏の派遣についても「時間稼ぎ」との見方が出ている。
ソース 読売新聞 2010年8月11日22時26分
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20100811-OYT1T00958.htm 依頼スレ
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