消費者物価、7月3.3%上昇 前年の反動も
工業生産13.4%増
2010/8/11 12:25
【北京=高橋哲史】中国国家統計局が11日発表した7月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.3%上昇した。
伸び率は2008年10月の4.0%以来、1年9カ月ぶりの大きさ。政府が年間の抑制目標に掲げる3%を2カ月ぶりに
上回った。天候不順による穀物や野菜の値上がりで、食品価格が大幅に上昇した。ただ、卸売物価の上昇は鈍化
しており、市場では一段の物価上昇への警戒は薄れている。
7月のCPIの上昇幅が大きかったのは、前年同月が大幅なマイナスだった反動が出た面もある。年末に向けて
前年の反動要因が薄れるため、中国政府は「年間の上昇率を3%以内に抑える基礎は整いつつある」(国家発展
改革委員会)と判断している。
7月の工業品出荷価格(卸売物価)指数は前年同月比4.8%上昇した。伸び率は6月の6.4%より縮小。国内企業の
生産活動が減速傾向にあり、一部の原材料の価格が下落し始めている。
同時に発表した7月の工業生産は13.4%増加。伸び率は6月の13.7%よりやや減速した。政府が4月に導入した
不動産融資規制をきっかけに住宅販売に陰りがみられ、マンションやオフィスビルの建設にブレーキがかかるとの
観測が浮上。鉄鋼など関連業種で在庫が積み上がり、一部では減産の動きも出ている。
1〜7月の都市部の固定資産投資(設備投資や建設投資の合計)は前年同期比24.9%増だった。政府の景気刺激
策の効果で高い伸びが続いているが、伸び率は1〜6月の25.5%より鈍化した。公共投資の息切れ懸念も出始めて
いる。
ソース: 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C9381959FE3E3E2E38A8DE3E3E2EAE0E2E3E29C9CE2E2E2E2