【シカゴ支局】5日のシカゴ商品取引所の小麦先物相場は急伸し、値幅制限いっぱいのストップ高で引けた。
干ばつ被害を理由にロシア政府が小麦の一時輸出禁止を発表したことを受け、需給の引き締まりを見込んだ
買いが膨らんだ。指標となる期近の9月物終値は前日比60セント高の1ブッシェル=7.8575ドルと、2008年8月
下旬以来、約2年ぶりの高値をつけた。
シカゴの小麦先物相場は09年以降、1ブッシェル=4〜5ドル台の水準で推移していた。今年7月に入り、主要
輸出国であるロシアでの生産減を見込む投機マネーの流入が加速。相場は7月1日以降で約6割上昇した形だ。
今回の相場上昇について、アナリストの間ではファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)よりも投機マネーが原因
との見方が多い。
プルデンシャル・ベーチェのシニア穀物アナリスト、ショーン・マックケンブリッジ氏は「米農務省推定の世界の小麦
在庫は、相場が高騰した08年に比べ約4割多い」と指摘。「ロシアの禁輸が世界の小麦需給に大きく響くことはなく、
投機マネーが相場を押し上げている」と分析する。
08年の高騰の記憶から投機筋が買い続ければ「1ブッシェル=9ドル台もあり得る」(先物ブローカー、プライス・
グループの穀物アナリスト、ジャック・スコビル氏)と一段高を予想する声が出ている。
一方、東京穀物商品取引所でも6日、トウモロコシと大豆が小幅上昇して始まった。取引の中心の11年7月物は
午前10時半時点で1トン2万1170円と前日比70円高い。一般大豆は11年6月物が4万2180円と190円高い。
トウモロコシと大豆は前日のシカゴ相場が小幅高だったため、東京の上げ幅も小さかった。ただ「穀物市場は異常
気象などに敏感に反応するようになった。当面は上昇基調が続く」(柴田明夫・丸紅経済研究所代表)との指摘がある。
ソース: 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C9381959FE2E4E2E3E38DE2E4E2EAE0E2E3E2E2E2E2E2E2E2 ※依頼があり立てました。