◆山教組投票依頼“人事権”盾に強制「見せしめ怖い」
山梨県教職員組合(山教組)の「輿石氏必勝」と記載した機関紙による“選挙運動”を産経新聞が報じた際、県教委は「直
接的な投票依頼ではない」として問題視しなかったが、今度は「直接的な投票依頼」が発覚した。組合員である現役教員に
よる携帯メールでの投票依頼。問われるべきは、“人事権”を盾に教員たちに選挙運動を半ば強制する山教組の体質と指摘す
る声が出ている。
「名前だけ貸してくだされば有り難い」
県南にある町立中学校に勤務する40代の男性教員が知人の男性会社員に送信したメールでは、民主党の輿石東参院議員
会長(74)への投票依頼とともに、輿石氏の支持者カードに名前を記載することへの協力も呼びかけていた。
これは「個票集め」と呼ばれる山教組教員の主要な選挙活動の一つとされる。輿石氏の支持者カードに名前を記入しても
らい、それを基に有権者名簿を作成。教員が当番制で電話による投票依頼を展開するというものだ。
■厳しいノルマ
元教員によると、6年前の参院選では、1人当たり80票ものノルマが現役教員らに課せられた。今回も減ったとはいえ
20票程度のノルマが与えられたという。
6年前の参院選では、山教組は輿石氏支援のため、ボーナス時などに教員や教頭、校長から2万〜5万円を徴収。山教組
などで構成する政治団体が、1千万円余りを政治資金収支報告書に記載しなかったとして、山教組幹部らが略式起訴され、
罰金刑を受けた。
こうした選挙のたびに貴重な「金」と「時間」を奪われる選挙活動に対し、不満を持つ教員も少なくないという。輿石氏
が6年前の参院選をめぐる事件当時、「政治団体がやったことで、自分とは直接関係ない」と責任逃れに終始したことも
「誰のためにやったと思っているのか」と教員たちの怒りを買った。
■「1万円なら」
しかし、それでも教員たちは山教組幹部から言われるがまま、選挙活動せざるを得ないのだという。その理由について、
別の元教員は「山教組による人事上の制裁が怖いからだ」と証言する。「金と個票を出さないと管理職になれないし、管理
職になりたくなくても、僻地(へきち)に異動させられるという“見せしめ人事”が行われる」
山教組の加入率は現在95%超と全国でも突出しており、人事を担当する県教委や市教委幹部も大半が山教組出身者。元
教員は「人事権による支配が山教組の強さ。ほかの都道府県で選挙で1万円も徴収するとなったら大騒ぎになるが、山梨で
は『1万円で見せしめ人事をやられないなら安いもの』と考える」と、その独特の風潮を語っている。
ソース:産経ニュース(産経新聞) 2010/08/04 01:30
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/100804/crm1008040131007-n1.htm