111歳で東京都の男性最高齢者とされていた加藤宗現さんとみられるミイラ化遺体が足立区千住5の自宅で見つかった事件で、
民生委員の女性(73)が2月に訪問した際、孫の男性(49)が虚偽の説明をして面会を拒否していたことが警視庁千住署の調べで
分かった。「祖父は5年前から岐阜の施設に預けている」という孫の説明を不審に思った女性が区に通報し、事件の発覚につながった
という。
女性はシルバーパスを配るため92年から年1回程度、加藤さん方を訪問。その度に長女(81)が「父は体調不良で休んでいる」
などと面会を拒否した。女性は、加藤さんが生活保護受給者ではなく独居老人でもないことなどから積極的な調査はしなかったという。
疑念を感じたのは今年1月下旬。区役所での住民の意見交換会で加藤さんの話題になり、参加者が「ここ数十年、誰も見ていない」
と口をそろえた。
これをきっかけに女性が2月4日に加藤さんの孫の男性に安否をただすと、孫は「5年ほど前から面倒を見きれなくなり、岐阜の方の
施設に預けている」と説明したという。
女性から連絡を受けた区は同日、住民基本台帳法に基づく調査の開始を決定。間もなく訪問した職員に、長女は「本人が会いたく
ないと言っている」と話したが、6月には「父の弟がいる岐阜で暮らしながら近くの寺で説法をしている」などと説明が変遷。区が寺に照会し、
事実でないことが判明した。
それまで区は、最高齢者として氏名を公表する可否を聞くため08年8月と09年8月の2回、加藤さん方を訪問していたが、親族は
公表を拒否したという。
一方、加藤さんとみられる遺体は1階6畳間で、下着姿でマットにあおむけになっていた。司法解剖で死因や死亡時期は特定
できなかったが近くの将棋盤の上に78年11月5日の新聞朝刊と同9日付の足立区広報が置かれており、千住署はこの時期に死亡
したとみている。
現場はJR北千住駅の北約800メートルの住宅街。近くの男性(72)は「(加藤さん方に)最高齢の人がいるなんて聞いたことがない」
と驚いた表情。別の女性(78)は「おばあちゃんは知っているけど、おじいさんがいたことすら知らなかった。気味が悪い」と話した。
ソース(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/today/news/20100730k0000m040125000c.html?inb=tw