【東京】長寿第2位 111歳男性、実は30年前に死亡していた ミイラ化で発見

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東京・足立の「111歳」遺体:「植物人間」と虚偽説明 発見2日前、警官聴取に家族

 111歳で東京都の男性最高齢者とされていた足立区千住5の加藤宗現(そうげん)さんとみられる遺体が見つかった事件で、
発見2日前の26日、警視庁千住署員と区職員らが加藤さんの家族に事情を聴いた際、家族が「(加藤さんは)植物人間だから
起きられない」と虚偽の説明をして面会を拒んでいたことが捜査関係者への取材で分かった。加藤さんの口座から妻の遺族共済年金
約605万円が引き出されていたことも判明。同署は家族が加藤さんの死亡後、年金を不正受給していたとみて詐欺容疑で捜査して
いる。
 捜査関係者によると、署員と区の戸籍住民課長らは26日、加藤さんの安否を確認するため訪問した。孫の女性(53)と長女(81)が
応対したが、2人は「高齢者表彰の記念品は辞退するから帰ってください」「おじいちゃんは植物人間だから戸籍を抹消しても構わない」
などと強硬に立ち入りを拒否したという。
 孫の女性はその翌日、加藤さんの妻の墓石を作った知り合いの石材店の役員に「実は昨日、役所や警察の人が来て驚いた」と相談を
持ちかけた。「祖父は30年前に1階の部屋に引きこもり、外から開けられなくなってしまった。母も『放っておきなさい』と言い、
そのままの状態になってしまった。多分、亡くなっていると思う」と打ち明けたという。
 また、同署によると、加藤さんの口座には、04年8月に101歳で死亡した元教師の妻の遺族共済年金が04年10月〜今年6月に
計約945万円振り込まれていたが、残高は約340万円だった。加藤さんの口座には、1911年以前に生まれた人に70歳から支給
される老齢福祉年金が振り込まれていたとみられ、同署は家族が老齢福祉年金も詐取した疑いがあるとみて捜査している。

 ◇年金不正受給、全国で相次ぐ
 家族の生存を装い年金を不正受給する事件は全国で相次いでいるが、厚生労働省は「年金受給者は今年3月現在で4000万人おり、
個別に生存確認するのは困難」と説明している。不正を見破る有効な手だてがないのが実情だ。
 09年2月に逮捕された沖縄県うるま市の男らは、75年に80歳で死亡した祖母の死亡届を役所に提出せず、約29年にわたり老齢福祉
年金約950万円を詐取し、詐欺容疑で逮捕された。テレビ局が04年に「長寿者紹介の番組で取り上げたい」と市役所に相談したことが
発覚の端緒だった。不正受給は遺体を隠す手口が多く、近所の人が「最近姿をみかけない」と役所に連絡して発覚するケースもある。
 厚生労働省によると、年金受給者の生存確認は年1回、住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)で行われている。しかし、親族が
死亡届を提出しない場合は「生存」扱いとなり、年金の支給は続いてしまう。
 厚労省の担当者は「生存確認を徹底しようとすれば、単純計算で日本年金機構の職員1人が年間約4000人を戸別訪問しなければならない。
他の業務もあるので事実上不可能」と話す。
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 ■家族の生存を装った最近の主な年金不正受給事件■
08年1月 福岡県大牟田市の1908年生まれの男性宅から白骨・ミイラ化した5人の遺体が発見され、両親の老齢福祉年金91万円を
      不正受給したとして、福岡県警が長男(70)ら3人を詐欺容疑で逮捕
   8月 兵庫県警が84歳で死亡した父の遺体を押し入れに1年半隠した息子(56)を死体遺棄容疑で逮捕。厚生年金360万円を
      詐取した詐欺容疑で追送検
   9月 京都府警が73歳で死亡した母の遺体を押し入れに3年間放置した娘(44)を死体遺棄容疑で逮捕。遺族年金240万円を
      不正受給した詐欺容疑で再逮捕
09年2月 沖縄県警が75年に死亡した祖母の死亡届を出さず、老齢福祉年金68万円を不正受給した孫の男(70)らを詐欺容疑で逮捕
 *年齢は当時

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20100731ddm041040023000c.html