中国、黄海で相次ぎ演習 米韓けん制を狙う
2010/7/27 22:33
【北京=佐藤賢】中国人民解放軍による黄海での緊急事態を想定した軍事演習が相次いでいる。中国国営の
中央テレビによると南京軍区の砲兵部隊が25日、黄海付近で大規模な実弾演習を実施。新型の長距離ロケット砲
を使った初の大規模演習という。27日も装甲部隊の空輸訓練を実施した。攻撃力と機動性の向上を誇示し、
米韓の合同軍事演習をけん制する狙いがあるとみられる。
中央テレビは27日、黄海付近で演習した砲兵部隊の自走ロケット砲からロケットが次々と発射される様子を放映。
演習では、偵察に当たる無人機も飛行した。
新華社によると、済南軍区は26日から部隊の空輸訓練を実施。27日にロケット発射筒などを河南省鄭州から、
500キロ以上離れている黄海に面する山東半島の臨海都市に民航機で運んだ。
中国海軍は17〜18日、山東省煙台付近の海域で輸送艦が攻撃を受ける想定で、交通運輸省と合同で遭難者を
救助する訓練をしたばかり。戦車を満載した列車を煙台の埠頭(ふとう)から輸送艦に積み込む訓練も初めて
実施している。
一連の演習からは、攻撃力や後方支援体制などを着実に強化している実態が浮かび上がる。国営メディアを通じて
練度の向上を見せ付け、中国の「中庭」といえる黄海に米軍が空母を派遣しないように、十分な戦力を持ち合わせて
いることをアピールした格好だ。
一方、韓国哨戒艦沈没事件を踏まえ25日から日本海で合同軍事演習を実施している米韓両国は27日、魚雷を使用
した対潜水艦攻撃訓練をした。敵の潜水艦が侵入する想定で、韓国海軍の駆逐艦が魚雷を発射した。
朝鮮中央通信によると、北朝鮮の対韓国窓口機関である祖国平和統一委員会は27日、米韓合同軍事演習を批判
する報道官声明を発表。日本のオブザーバー参加に初言及し「(日米韓の)『三角軍事同盟』の現実化へと進んで
いる」と非難した。
ソース: 日本経済新聞
http://www.nikkei.com/news/latest/article/g=96958A9C9381959FE0E5E2E1988DE0E5E2E5E0E2E3E29494E3E2E2E2