消費者になじみ深い往年の人気商品ブランドが、相次いで“復活”を遂げている。
サントリーはウイスキートリスを使った缶ハイボールを43年ぶりに発売。資生堂の制汗剤「シーブリーズ」
も男性向けから若い女性にターゲットを切り替え、累計出荷本数が1100万本を突破するなど、
大胆な販売戦略の見直しで、かつての人気ブランドが急速に息を吹き返している。
サントリーは昭和42年まで、缶ハイボールの元祖となるトリスのソーダ割り缶飲料「トリスウイスタン」を販売していたが、
今年9月21日から発売される「トリスハイボール缶」は、まさにそのリバイバル商品。
自らが火付け役となったハイボールブームに乗って、さらなるウイスキーの需要拡大に乗り出した。
ブームの立役者となった角瓶のソーダ割り「角ハイボール」は、20年末に1万5千店だった取り扱い飲食店が急速に拡大。
21年末には6万店、今年6月時点では9万3千店とわずか2年足らずの間に、取り扱い店舗は6倍以上に増えた。
さらに出荷ベースの販売本数も今年1〜6月の半年間で、前年同期比68%増加するなど、今年に入っても急激な伸びは続いている。
同様に、かつてサーファー御用達としてブームとなった男性用ローションの人気ブランド「シーブリーズ」は、
今や女子高生を中心とする若い女性に人気のオシャレアイテムに変身を遂げた。
シーブリーズを販売する資生堂は、平成19年、制汗剤「シーブリーズ デオ&ウォーター」
のターゲットを男性から若い女性に変更するリニューアルに着手。白地に青の
シンプルな容器をオレンジやピンク、グリーンなどカラフルにしたほか、容器に合わせて香りも増やした。
その結果、21年度の売り上げは刷新前の18年度の4倍以上に増加。毎年前年の1・6倍に売り上げを伸ばし、
今年6月には、累計販売本数が1100万本を突破するなど、女子学生の定番アイテムに変(へん)貌(ぼう)した。
このほか、シニア世代にはなじみの深い口中清涼剤「仁丹」を販売する森下仁丹は今年3月、
34年ぶりとなる新商品「JINTAN116」を発売。かつての銀色の丸薬から、
液体状の生薬を閉じこめたリキッドカプセルに形状を改め、40歳前後の「アラフォー世代」にターゲットを広げた。
これまでは駅売店や一部のコンビニに販売先が限られていたが「売り上げは堅調に伸びている」(同社)といい、
9月からは全国の有名ドラッグストアチェーンの店頭にも販路を拡大するという。
商品動向に詳しい電通の四元正弘・電通総研消費の未来研究部長は「日本が元気だった時代の世界観を味わい、
前向きになりたいのでは」と消費者の購入動機を分析する。マンネリ化で一時は売れ行きが伸び悩んだ商品群だが、
大胆な戦略転換と“昔の名前”の底力が、消費低迷の逆風下で改めて強さをみせたといえそうだ。
以下ソース:産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100726/biz1007261148000-n1.htm http://sankei.jp.msn.com/economy/business/100726/biz1007261148000-n2.htm 画像
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