【農政】事故米転用さらに3千トン、業者認める 農水省見抜けず

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◆事故米転用さらに3千トン、業者認める 農水省見抜けず

 2007年に米国から輸入された事故米82トンが不正に食用に転売されていた問題で、関与していた加工業者が農林水産
省の調査に対し、さらに約3千トンについて偽装を認めていることがわかった。農水省は08年、この約3千トンを含む約5千
トンについて追跡調査し「飼料用に使われたと確認」と発表していた。大半が偽装だったのに、それを全く見抜けないほど、
当時の調査がずさんだったことになる。

 08年の調査は聞き取りが中心で、農水省幹部は「加工台帳を偽装され、関係業者で口裏をあわされると、強制調査権も
なく偽装を見抜くことは困難だった」と説明している。当時の石破茂農水相が期限を区切って迅速に調査すると会見で表明
した後だったため、拙速でずさんな調査になった、と振り返る幹部もいる。

 加工業者は神奈川県伊勢原市の協和精麦(せいばく)。大麦の加工を主な事業にしている。事故米を粉砕して麦のぬかを
混ぜ、家畜の飼料にする加工をしていたと台帳などで記していたが、加工は一切行っていないと調査に認めた。台帳を調べ
たところ、偽装された事故米は計約3千トンに達した。

 約3千トンの取引の大半は、協和精麦のほか、今回ともに刑事告発の対象とされる甘糟損害貨物(同県)、石田物産
(同)、共伸商事(愛知県)と実施していたという。書類上で所有権を移動させるだけの取引だった。農水省によると、当時事
故米を扱う業者は全国的には多くなかった。

 この約3千トンの大半は03〜06年に輸入されており、食品衛生法の公訴時効(3年)が成立しているため、農水省は82ト
ンの取引に絞って刑事告発の準備を進める一方、約3千トンについても取引の流れを調べている。

 事故米には国が輸入販売したものと、商社がしたものの2種類があった。三笠フーズ(大阪市)や浅井(名古屋市)は国販
売の事故米を不正転売し、問題が発覚した。

 輸入米に高関税をかける代わりに一定量の輸入が義務づけられたミニマムアクセス米の年間輸入量は、七十数万トン。
農水省は問題発覚を受け、03〜08年度の国販売分の事故米6700トン余の流通先を08年に調べ、約4600トンの不正
転売を確認していた。

 また08年10、11月には、厚生労働省と協力して、商社が輸入した事故米についても、適正に処理されたか調査を実施し
た。その結果、販売先が捜査対象となったなどの理由で確認が困難だった一部を除き、5251トンについて「飼料用として使
用されたことを確認」し、問題はなかったと発表。しかし今回、このうち約6割が虚偽と判明、調査が「ザル状態」だったことに
なる。

 山田正彦農水相は22日、取材に対し「なぜ2年前の調査で見落としたのかしっかり調べる。食の安全のことなので、今ま
でになく厳正に対処したい」と話した。

ソース:asahi.com(朝日新聞) 2010/07/23 03:00
http://www.asahi.com/national/update/0722/TKY201007220649_01.html

画像:問題の82トンの事故米の流れ
http://www.asahi.com/national/update/0722/images/TKY201007220653.jpg