「第二の人生」はラグビー場 南アW杯競技場、収益性高く
ワールドカップ(W杯)のために巨費を投じて建設、改修された南アフリカの
サッカースタジアムが、閉幕後は収益性の面からラグビーをメーンにしたスタジアムになりそうだ。
サッカーは南アフリカで最も人気のあるスポーツだが、中産階級に属する白人の間では
ラグビーとクリケットの人気が高い。シティグループのエコノミスト、ジャン=フランソワ・
メルシエ氏は「南アフリカでは、サッカーで高額な入場料収入やスポンサー収入を
得ることはできないが、ラグビーではそれが可能だ」と説明。サッカースタジアムを
ラグビーの試合に使用すれば運営コストを補うことができるとの見方を示した。
サッカースタジアムを使ったラグビー試合は、W杯閉幕の約1カ月後に早速実現する。
南アフリカラグビー協会は7日、南アフリカ代表チーム「スプリングボクス」と
ニュージーランド代表チーム「オールブラックス」の試合を、8月21日に
サッカーシティ・スタジアムで開催すると発表した。
建設費35億ランド(約400億円)、座席数9万4000の同スタジアムはヨハネスブルク近郊の
旧黒人居住地ソウェトにある。W杯の開幕試合のほか、11日の決勝戦でも使用された。
南アフリカ、ニュージーランド、オーストラリアの南半球3カ国の対抗戦、
トライネーションズはこれまで座席数6万2000のエリスパークで行われてきた。
座席数の多いサッカーシティへ会場を変更することで、協会はより多くの収入を得ることになる。
同試合の開催権を持つ地域ラグビー協会、ゴールデン・ライオンズ・ラグビー・ユニオンの
コマーシャル・ディレクター、アンドレ・ホーマン氏は「オールブラックスとスプリングボクスの
試合をソウェトで行えば、歴史的な出来事になる」と話した。
W杯南アフリカ大会についての著書があるウデッシュ・ピレー氏は、W杯で使用される
10カ所のサッカースタジアムの維持費を年間3億5000万〜5億ランドと見積もっている。
存続のためには、各スタジアムが平均200〜250ランドの入場料で、年間12〜15回は
満員になるイベントを開催しなければならない。
5月27日に行われた南アフリカとコロンビアのサッカー親善試合の入場料は40ランド。
一方のラグビーでは、6月12日に行われたスプリングボクスとフランス代表の試合の
入場料は100〜400ランドだった。
SankeiBiz(サンケイビズ)
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100712/mcb1007120502010-n1.htm http://www.sankeibiz.jp/macro/news/100712/mcb1007120502010-n2.htm