◆全国初、点字の訴状受理 全盲女性「感謝の意」 名古屋地裁
名古屋市熱田区に住む全盲の鍼灸(しんきゅう)師、梅尾朱美さん(59)が、点字で作った訴状を名古屋地
裁に提出して、同市を相手に障害者自立支援法の障害程度区分の認定取り消しを求めた訴訟の第1回口頭弁論
が14日、名古屋地裁(増田稔裁判長)であった。
梅尾さんは代理人をつけない「本人訴訟」で法廷に臨んだ。冒頭「感謝の意を表したい。裁判所が点字の訴
状を受理するという全国でも初めての英断で、今日を迎えられた」と述べた。裁判所側の配慮から梅尾さんは
着席したまま意見陳述書を読み上げ「実態とかけ離れた認定をされた。福祉行政を陥れている」と訴えた。名
古屋市側は「公正な認定」と反論した。
閉廷後、梅尾さんは「障害者を支えようという社会の流れができてきて、それにかかわる当事者になれたこ
とを誇りに思う」と涙を浮かべながら報道陣に話した。
今回の訴訟を巡っては、梅尾さんが提出した点字の訴状を今年4月、名古屋地裁が受理した。受理後に梅尾
さんは点字を平仮名に書き換えたデータも同裁判所に送付。被告側の名古屋市も、同裁判所からの訴訟指揮を
受けて、点訳をつけた答弁書を提出した。今後、名古屋市側が点字の書面を用意するかは未定で、審理の行方
が注目される。
訴状などによると、梅尾さんは2006年に同市から障害程度区分「4」の認定を受けた。しかし、福祉サー
ビスの利用が少ないことなどを理由に09年には障害程度が最も軽い「1」に変更され、ヘルパーの派遣時間が
大幅に減るなどして、日常生活への負担が増えたという。
ソース:日本経済新聞Web刊 2010/07/14 13:30
http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819695E3E6E2E0E18DE3E6E2E5E0E2E3E29191E2E2E2E2?n_cid=DSGGL001