◆米、菅政権不安定化を懸念=普天間、週内にも協議再開へ−参院選・海外反響
【ワシントン時事】米政府は民主党苦戦が伝えられる参院選に関し、菅政権を不安定にさせ、米軍普天間
飛行場移設や同盟関係深化にも影響を及ぼすと懸念を募らせている。先行き不透明な移設問題については、
早期に道筋を付けておくため、今週にも外務・防衛当局の専門家協議を再開させる方向で日本側と調整に
入った。
米側には、参院で与党が過半数を割れば菅直人首相は綱渡りの政権運営を強いられ「外交課題への対応が
おろそかになる」(元高官)との見方が多い。普天間飛行場の沖縄県内移設に対する地元の反発は依然強
く、秋には県知事選も行われる。
一方で9月と11月に日米首脳会談が立て続けに予定されており、米側は工法などに関する検討を期限の
8月末までに確実に完了させたい意向だ。次回協議はワシントンで課長クラスで行うことが想定されてい
る。
オバマ大統領の対日政策顧問を務めたシーラ・スミス外交評議会上級研究員は「米国の対日政策の焦点は
引き続き普天間に当てられる」と解説する。とはいうものの、安定政権の下で普天間問題を早めに片付け、
イランの核開発やアフガニスタン支援、世界規模の景気回復など幅広い課題で連携を強化したいというのが
米政府の本音だ。
アメリカン・エンタープライズ政策研究所(AEI)のマイケル・オースリン日本部長は「明確な国家戦
略を持つ強い首相の出現」が同盟深化に不可欠と指摘。スミス氏も、政権の長期安定が重要との認識を示し
ている。
ソース:jiji.com(時事通信) 2010/07/11 18:01
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010071100140