「泣き声が自分を責めているように感じていた」−。生後2カ月の次男を虐待したとして、傷害の罪に問われた上尾市小敷谷、無職、
石川健一被告(40)。幼い子供に一生残る障害を負わせた行為の動機は、身勝手なものだった。
起訴状によると、石川被告は昨年10月19日ごろ、当時の自宅で生後2カ月だった次男の頭部をつかんで激しく揺さぶり、ほうり投げて
頭を打ち付けさせ、重篤な後遺症を残す傷害を負わせたとされる。
検察側の冒頭陳述によると、石川被告は以前から次男が夜泣きしたときなどに虐待を加えていたという。
7月2日、さいたま地裁の法廷に立った石川被告は、淡々と質問に答えた。
弁護人「暴力の原因は何だと思う」
被告「自分の中で不安や不満をためてしまったこと」
弁護人「そういう行為に抵抗はなかったのか」
被告「苦しくて、頭が真っ白になっていた。終わった後は後悔していた」
無職であることに重圧や情けなさを感じていたという石川被告。さらに、妻やその両親に追及されることへのストレスもあったようだ。しかし、
暴力はなぜ次男へ向かったのか−。検察官が理由をただした。
検察官「ストレスの原因は奥さんやその両親では」
被告「それと自分へのふがいなさ」
検察官「それがなぜ次男へ向かったのか」
被告「泣き声が頭を締め付けるようで」
検察官「後悔してもまたやっていたのはなぜ」
被告「毎日積み重なっているストレスがスッと引く」
検察官「今後は次男とどうかかわっていくのか」
被告「養育費と医療費を払って支えていく」
「後悔」や「反省」を口にする石川被告だが、検察側冒頭陳述によると、次男は一生寝たきりとなる可能性もある。島田環裁判官は
結果の重大さを追及した。
裁判官「犯行後の処置は」
被告「事件にならないように冷やしたぐらい」
裁判官「奥さんに言われるまで放置していて、後悔していたといえるのか」
被告「周りからみたら後悔しているとはいえない」
裁判官「これはあなたが償える結果なのか」
被告「(償える)結果ではないと思います」
島田裁判官は最後に「もう少し自分が何をしたのか、ストレスでこんなことができるのかを深く考えなくてはいけないのでは」と告げ、
石川被告は小さく「はい」と答えた。論告求刑公判は15日に行われる。
ソース(MSN産経ニュース)
http://sankei.jp.msn.com/region/kanto/saitama/100708/stm1007082137006-n1.htm